
藤田真央
1998年東京都生まれ。3歳でピアノを始める。
2017年、18歳で第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール優勝。2019年には第16回チャイコフスキー国際コンクール第2位に輝き、その比類なき音楽性で審査員と聴衆を魅了した。繊細さと圧倒的なヴィルトゥオジティを兼ね備えた唯一無二の音色は世界的に高く評価され、名だたる劇場でのリサイタルや一流オーケストラとの共演を重ねている。ルツェルン音楽祭、ヴェルビエ音楽祭、エディンバラ国際音楽祭、BBCプロムスなど、主要音楽祭の常連としても活躍し、今もっとも国際的に注目される日本人ピアニストのひとりである。
2025/26シーズンには、チョン・ミョンフン指揮ミラノ・スカラ座フィル、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮フランス放送フィルとの日本ツアーをはじめ、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルとの欧州ツアー、ヴァシリー・ペトレンコ指揮ロイヤル・フィルとのスペインツアー、ケント・ナガノ指揮ドイツ・ベルリン交響楽団とのドイツツアーを予定している。さらに、ボストン交響楽団、トロント交響楽団、韓国KBS交響楽団、ローザンヌ室内管弦楽団との初共演に加え、チェコ・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ウィーン交響楽団等との再共演も決定。リサイタルでは、ウィーン、パリ、ハンブルク、リスボンを巡る欧州ツアーのほか、ニューヨーク・カーネギーホールへの3度目の登場を含む北米8都市(クリーブランド、ボストン、サンフランシスコ、バンクーバーなど)でのツアーを控える。また、キリル・ゲルシュタインとのデュオ・リサイタルを日本10都市で開催予定。
これまでに、セミヨン・ビシュコフ、リッカルド・シャイー、クリストフ・エッシェンバッハ、ダニエレ・ガッティ、ヤクブ・フルシャ、マンフレート・ホーネック、マレク・ヤノフスキ、アンドリス・ネルソンス、ラハフ・シャニ、山田和樹といった世界的指揮者と共演。オーケストラではロイヤル・コンセルトヘボウ管、クリーヴランド管、バイエルン放送響、ミュンヘン・フィル、ロサンゼルス・フィル、ワシントン・ナショナル響、NHK交響楽団、東京都響、読売日本響といった名門楽団と共演を重ねている。
室内楽奏者としても高い評価を得ており、ルノー・カプソン、ゴーティエ・カプソン、レオニダス・カヴァコス、エマニュエル・アックス、アントワン・タメスティ、キアン・ソルターニらと共演。ハーゲン弦楽四重奏団との共演ではザルツブルク音楽祭デビューを果たした。
2021年、ソニー・クラシカル・インターナショナルと専属契約を締結。2022年にリリースしたデビュー・アルバム《モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集》は、その透明感あふれる音響と精緻な解釈で絶賛を浴び、オーパス・クラシック賞を受賞。またヴェルビエ音楽祭やウィグモア・ホール、日本各地のホールでの全曲演奏会も成功を収めた。2024年には《72 Preludes ~ショパン、スクリャービン、矢代秋雄:24の前奏曲》を発表。著書に『指先から旅をする』『指先から旅をする2』(文藝春秋)がある。
現在、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学にてキリル・ゲルシュタインに師事。